前回の記事でビットコインFXをトレードする前の確認事項の一つに環境認識を取り上げました。
今回は具体的な環境認識のやり方・種類について書いてみます。
「どこの取引所が良いのか?」「相場の原理」などまだ閲覧されていない方は、
を先にご覧ください。
環境認識とは
環境認識とは、BTCUSDトレード相場が「何のフェーズ(局面)なのか」を把握する作業を指します。
初めは難しい言葉だなと感じました。今でも違和感が残っていますが、4文字で伝わるのが便利なので私も使うようになりました。
単純な話、
- 今は下げ相場なのか?
- 今は上げ相場なのか?
- 今はレンジ相場なのか?
この3点を把握することを環境認識と呼びます。
ざっくりと、このようなトレード判断ができます。
トレード前にいつ環境認識を行えば良いのかについては、
【ビットコインFX】確認点:日時・ストップロス・環境認識・期待値など | i-topics
をご覧ください。
環境認識のやり方
環境認識の手順
FXGTのMT5で環境認識する場合は、BTCUSDの異なる時間足チャートを複数開き、描画ラインを同期するインジケーターを使うと、効率が上がります。
などは別記事で書きます。
マクロの時間足から見る理由
- 相場に大きな影響力を持つ機関投資家は、マクロの流れを重視する。
- マクロの時間足で描いた水平線やトレンドラインは、ミクロの時間足でも効いている。
環境認識(マクロ):月足・週足・日足
月足
ざっくりと、意識されている価格帯(黄色)と支持線・抵抗線(緑)を描きます。
週足
月足で描いた水平線やトレンドラインのズレを補正します。
月足・週足レベルでは、ダブルボトムを形成しているように見えます。
日足
- 週足でのラインのズレをさらに補正します。
- 日足レベルでのトレンドライン(赤)やチャネルを描きます。
日足レベルでは、やや上昇ウェッジのように見えます。
ビットコインFXの場合、上昇ウェッジはほとんどのケースで下落の前兆となります[1]もちろん上昇ウェッジを上抜けする場合もあります。上昇ウェッジなどチャートパターンの特徴については別記事で書きます。。
また、緑の抵抗線で頭を押さえつけられ上値が重そうな雰囲気が読み取れます。
環境認識(マクロ):4時間足・1時間足
4時間足
- 日足の上昇ウェッジを精緻に補正すると、平行チャネル(黄色)が引けました。
- 上昇チャネル内のレンジで推移しているのが分かります。
FXGTのMT5でセンターラインを含めた平行チャネルの描き方はこちら。
1時間足
- 4時間足の中身を細かく見ると、ダブルボトム形成途中のフェーズということが分かります。
- チャネルのセンターライン・上値抵抗線(緑)・両者が交差する部分(赤)で、ショートから売り叩かれる目線を織り込んでおきます。
センターライン表示は強くおすすめします。私の失敗経験はこちら。
ちなみに、デイトレード市場では4時間足と1時間足が最もよく見られている、という話を目にしたことがあります。
環境認識(ミクロ):15分足
- 15分足でミクロの推移を認識します。
- 赤枠部分では、ショートが敢えて上昇を見逃しています。ショートが抗うことなく上昇を許しているフェーズでは、敢えて高い位置までおびき寄せているケースが圧倒的に多いです。
- 敢えて、AとBのショートのストップロスをロングに解消させて優位性を失わさせて、追い込んでいます。理由は、Cに到達するまでには遠いので、BとCの間で売り叩くのがショートの戦略だからです。抵抗ライン(緑)も近くにあるため、ショートの心理が一致しやすい環境となり、ショートの優位性を形成しているフェーズになっています。
環境認識(ミクロ):5分足・1分足
少なくとも5分上昇するか否かを判断する
マクロの時間足の環境認識から上値抵抗線(緑)がかなり強力であることが分かりました。
- ショートの売り圧力が高まるライン
- チャネルやレンジの上限
- ショートのストップロスまで遠い
このような環境でロングをエントリーするのは期待値が高いタイミングにならないので、今はエントリー見送りの判断をします。もちろん抵抗線を突破してブレイクアウトするチャンスはありますが、私のビットコインFX手法ではブレイクアウト(高値更新)を狙わないことにしています。
5分足の底を1分足で見当を付ける
FXGTのMT5で5分足・1分足チャートを両方表示します(赤枠)。
下画像の黄色付近では買われているので、5分足の底のように読み取れます。
この際の注意点は、上画像右側のマクロ足では下落途中のため、「相場は下落トレンド」であることを認識しておくことです。
- 上昇したとしてもスプレッド分も上昇しない。
- 直ぐに再び下落してくる。
このような目線を織り込んでエントリーを判断します。
(※赤線はチャネルに平行なラインを新しく追加。)
1分足でエントリー判断する手順
◆手順1:環境認識
月足から15分足までの流れを環境認識して、
- 上昇トレンドの環境
- レジスタンスとチャネルのセンターラインで上値を抑えられている環境
2点の環境が認識できたので、5分足が下落してきてダブルボトム右足形成でロングエントリーを判断しました。
◆手順2:時間帯の確認
エントリータイミングの見当を付けたらまず確認するのが、時間です。
4時間足・1時間足の変わり目には注意が必要です。
→ ビットコインFXで、潮目が変わりやすい日付・曜日・時間帯とは?
◆手順3:エントリータイミングを計る
私の手法では数秒~数分の時間軸でのロングを前提としているので、最終的なエントリー判断は5分足で流れを確認して、1分足で底を認識しにいきます。底が不成立なら損切します。
- 5分足と1分足の両方を表示させておく。
- 上昇で伸びている途中はエントリーしない。
- 下落してくるまで待つ(5分足監視)。
- ロングのストップロス解消まで待つ(1分足監視)。
- ショートのモメンタムが弱ってきている(1分足監視)。
- ロングのモメンタムが持続している(1分足監視)。
- 期待値の高さを確認(4つの時間足チャートで総合的に判断)。
《右側のマクロ足で三尊にならないことを確認する》
結果的には決済後、30分間下落していきました(赤枠)。
《1分足1本で決済した理由》
- 1時間足の安値更新が続いていた。
- ロングの値動きに力強いモメンタムが感じられなかった。
- 本日2022年3月24日は木曜日で週の後半が始まり、週末にかけて下落していく目線を持っていた。
環境認識の種類
環境認識(一般向け)
環境認識の種類は大きく分けると2種類に分けられます。
- トレンド
- 上昇トレンド
- 下降トレンド
- レンジ
- 天井圏
- 底値圏
- チャネル
上画像は、
- 上昇トレンド中に平行チャネルのレンジ内で推移し、黄色が天井圏、赤が底値圏
と環境認識することができます。
環境認識(スキャルピング向け)
前提:時間軸は15分以内, ロング
私のビットコインFXトレード手法は、「時間軸15分以内でロング」のスキャルピングです。
本記事ではその時間軸とロングポジションを前提として環境認識の種類を書いています。
私のビットコインFXスキャルピング手法についてはこちらをご覧ください。
種類(時間軸:15分以内)
先述の一般的な環境認識を把握した上で、
「今は何のフェーズなのか?」を細かく捉えます。
それぞれの環境でのエントリー&決済のタイミングは別記事で書きます。
2022-03-29 チャートパターン(ビットコインFX スキャルピング向け)の記事を追加しました。
まとめ
- 大きな時間足から順に見ていく。
- 5分足がチャネル・レンジ・逆三尊・ダブルボトム下限を確認する。
- 1分足の値動きでロングのモメンタムが強ければエントリー。
- 予め15分以内に決済する覚悟でエントリー。
環境認識を文字に起こすと予想の3倍以上のボリュームになってしまいました。
記事にするために丁寧にラインを引いていますが、実際のライブトレードでは分かる部分のライン描画は省いています。ラインを引いていると先入観に捕らわれるケースが少なくないので。
環境認識含めトレード準備に掛ける時間は3分程度です。細かく分析してもキリがないので、手早く環境認識してエントリータイミングまでひたすら待つことを心掛けるようにしています。
関連記事:ビットコインFXのスキャルピング手法 - 分かりやすい順序で一覧表示されます。
本記事がお役に立てれば嬉しく思います。
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