Bybitはデリバティブ取引がメインサービスの仮想通貨取引所です。2021年後半くらいからByFiアカウントでの資産運用サービスや現物トレードを導入して、サービスを拡大していますが、使い勝手の良さ・利用のしやすさの面からいえば、デリバティブに特化した仮想通貨取引所、という印象を今でも持っています。
今回は「Bybitリアル口座でデリバティブ・BTCUSDTトレード操作方法」について書いてみます。
リアル口座で取引前にデモ口座で練習する
いきなりリアル口座でトレードしようとしても、どの程度のロット数でどの程度の損益が出るのか、皆目見当が付かないと思います。デモ口座での十分な練習をおすすめします。デモ口座はビットコインFX初心者だけでなく、他の取引所から移ってきたトレード経験者の方も利用されると、以下の2点を確認しやすくなると思います。
- レバレッジ
- 最大可能注文ロット数
デモ口座の開設方法は、以下の記事をご覧ください。
Bybitリアル口座の開設方法
デモ口座での練習ステップを終えたら、リアル口座を開設します。方法は以下の記事をご覧ください。
Bybitのデリバティブとは?
デリバティブとは?
金融派生商品のことです。FXやCFDもデリバティブです。
雑な言い方になりますが、現物を保有せずに売買できる差金決済取引を指します。
例えば、ドルを保有していなくてもFXで売買できます。石油やゴールドを保有していなくてもCFDで売買できます。
同様な考え方で、Bybitでビットコイン(BTC)の現物を保有していなくても、BTC売買ができます。現物取引は現物の売買ですが、BybitのデリバティブBTCUSDT取引ではBTCは増減しません。証拠金のUSDTだけが増減します。
Bybitの現物BTCUSDTトレードの使い方はこちら。
ビットコインFXと呼んでも良いのでしょうけれども、外国為替ではないためFXという呼称を避けているのだと思います。
一般利用者の間ではビットコインFXと呼ばれる場合もあります。
デリバティブの証拠金
デリバティブアカウントで確認できます。
アカウントの確認方法はこちら(「デリバティブアカウント」を選んでください)。
- BTC
- USDT
- ETH
- EOS
- XRP
- DOT
- BIT
(2022-02-18時点)
上記の仮想通貨を証拠金としてBybitのデリバティブ取引ができます。
手数料は?
取引手数料
Bybitでは取引板の厚みを増す指値注文が増えることにより取引が活況となるため、
指値注文のトレーダーは取引手数料をもらえる仕組みになっています。
取引手数料は注文約定時点で保有資産残高に支払われる、または残高から支払います。
証拠金から差し引かれるのではないので留意してください。
《デリバティブBTCUSDTトレードの取引手数料計算》
手数料=注文価格×ロット数×手数料率
(例)1BTC=40000ドル、契約数0.1ロット、の場合
- 指値注文した人:40000×0.1×0.025%=1USDTもらえる
- 成行注文した人:40000×0.1×0.075%=3USDT支払う
詳しくは、取引手数料のBybit公式ヘルプはこちら。
ここまで知ると、「決済も含めて毎回指値注文しよう」と思えてきます。私も当初は指値注文ばかりしていました。ところがトレードは瞬時のタイミングが一番大事なので、現在は常に成行でトレードするようになりました。
資金調達料
《資金調達料が発生する日本時間:8時間毎》
- 9時
- 17時
- 25時
上の時間をまたいでポジションを保有すると、資金調達料を支払いor受取ります。
詳しくは以下の公式ヘルプをご覧ください。
未実現損益が緑色(プラス)なのに、実際に決済すると損失が出る理由
上画像を例にします。
- 未実現損益:1.3199USDT
- 日次実現損益:-3.21USDT
未実現損益には下記手数料は含まれていません。
- 成行注文の場合の取引手数料:画像右側の-3.21USDTが取引手数料(約定価格×0.075%)。
- 資金調達料:上の時間をまたぐ場合に発生。
- 決済取引手数料:成行で決済の場合(約定価格×0.075%)。
この例では、未実現損益が3.21USDT以上になって初めて損益が0以上になります。
しかし成行で決済すると、再び決済取引手数料が掛かり損失が発生する可能性があります。
詳しくは以下の公式ヘルプをご覧ください。
手数料負けしないために
全ての注文を指値にすれば取引手数料を気にしなくても良いですが、私のようにタイミングで判断して常に成行注文のトレードスタイルのトレーダーは、ポジション保有前に以下の点を事前に押さえておく必要があります。
- ポジション保有時の取引手数料はいくらなのか?:注文価格×ロット数×0.075%
- 上の取引手数料以上に利益を出せるのか?
- 成行決済の場合、取引手数料はいくらなのか?:注文価格×ロット数×0.075%
- 資金調達料はいくらなのか?:ポジション価額(契約数量÷マーク価格)×資金調達率
取りあえず、1,2を事前に見込んだ上でエントリーしないと、常に手数料負けするトレードスタイルになってしまいます。
BTCレートにもよりますが、現在のBTCUSDTのレートを基準に考えると、
- 1BTC=40000USDTで1ロット成行注文した場合、片道手数料は30USDT(40000×1×0.075%)
この例だけ覚えておけば、ロット数を0.1, 0.01, 0.001など変更すると片道手数料を見込めます。
あとは、30ドル、3ドル、0.3ドル、0.03ドルの利益を出せるポジションでエントリーすると、手数料負けしづらくなります(決済取引手数料を除いて考えた場合)。
Bybitでは成行の場合、エントリー時の手数料と決済時の手数料、どちらも必要となります。上の例で、
- 1BTC=40000ドル、1ロット成行でエントリー → 手数料30ドル
- 1BTC=40000ドル、1ロット成行で決済 → 手数料30ドル
となり、合計60ドルの手数料が掛かります。
BybitはWeb版もアプリ版もインターフェースがユーザーフレンドリーなのであまり抵抗なく利用しがちですが、見た目以上に勝ちにくいデリバティブ取引所かもしれません。
少なくともスキャルピングには不向きな仮想通貨取引所、というのが私の感想です。
BTCUSDTのスキャルピングトレードならFXGTがお得です。スプレッドが20ドル前後で、必要なのはエントリー時のみ。決済時には不要。つまり片道20ドルの手数料だけで済みます。
Bybitの手数料合計60ドルと比較すると、FXGTの手数料は半額以下になります。
関連記事:Bybitでは勝てなくてFXGTで勝てるようになった理由とは?
手数料負けしないもう一つの策は、BybitのTradingViewでトレード判断するのではなく、公式TradingViewを眺めながらトレードすることです。Bybitのチャートの値動きは公式TradingViewの値動きよりも分かりにくい、という印象を持っています。ウォッチリストにBinanceを追加して、そのチャートを眺めながらBybitのデリバティブ取引したほうがトレード判断しやすい、というのが私の感想です。
繰り返しとなりますが、手数料も考慮に入れながらデモ口座での練習を強くおすすめします。
Bybitでテザー(USDT)を保有する方法
なぜUSDTを保有しなければならないのか?
Bybitでは法定通貨(ドル・ユーロ・円・ポンドなど)を入金して現物トレード・デリバティブ取引・積立ステーキングなどのサービスを利用することはできません。法定通貨を仮想通貨に替えてBybitに入金します。
デリバティブ取引するなら先述の証拠金となる仮想通貨であれば、どれを入金してもデリバティブ取引を利用できます。
しかし、例えば0.0036225BTCの含み益が表示されたとしても、どの程度の利益なのか分かりにくいと思います。
そのため、米ドルと連動するステーブルコインのUSDTを証拠金にした場合、何ドルの損益なのか、現状を把握しやすくなります。
詳しくは、デリバティブはインバース無期限よりもUSDT無期限がおすすめをご覧ください。
USDTを保有する方法
BybitへUSDTを入金する方法は2つあります。
BybitでUSDTをクレジットカードで購入すると高い
私は後者をおすすめしています。理由は、クレジットカードでUSDTを購入すると手数料が掛かり、得られるUSDT数量が少なくなるからです。
参考に、10万円分のUSDTを購入した場合と送金・両替した場合を比較します(2022-02-15時点)。
クレジットカード | 送金・交換・両替 | |
USDT | 805 | 864 |
クレジットカードによるUSDT購入では約60ドルも得られる数量が少なくなります。
国内取引所から送金してBybit内でUSDTに交換・両替した方が遥かにお得になります。
Bybitに国内取引所から仮想通貨を送金してUSDTに両替が安い
Bybitに送金・ネットワーク手数料無料で入金する方法は、以下の記事をご覧ください。
この方法が一番おすすめです。
デリバティブアカウントにUSDTを入金する
デリバティブBTCUSDT取引するためには、デリバティブアカウントにUSDTを入金する必要があります。
デリバティブアカウントに入金する方法は、以下の記事をご覧ください。
デリバティブ画面でトレードする
BTCUSDTのデリバティブ画面に入る
デリバティブ>USDT無期限>BTCUSDT
レバレッジの考え方
レバレッジの考え方をざっくりと説明します。
下のように、
- クロス
- 買い100倍
- 売り100倍
- 保有資産:1000USDT
だったとします。
この際、
- 自分はいくらのUSDTを持っていることになるのか?=いくらの金額を動かせるのか?
ということを考えます。レバレッジ100倍なので、
- 動かせる金額=保有資産×レバレッジ=1000ドル×100倍=100000USDT
100000USDTを持っていることになるので、1BTC=40000ドルとすると、
- 100000÷40000=2.5BTC
最大で2.5BTCの注文ができます。この最大注文可能ロット数を知るのはとても大事です。
安直に1BTCを注文すると40%の注文可能ロット数を占めることが分かります。
動かせる金額の50%近くのロットを張るのは、とても大きなロット数です。
価格が逆走するとすぐに強制決済となり口座破産に陥りかねません。
初めての注文はデモ口座(Testnet)で最小ロット0.001BTC注文から試してみて、
- どの程度の値幅でどの程度の損益が発生するのか
を事前に確認しておくと投資リスクを低減できると思います。
分離マージン・クロスマージンについては公式ヘルプをご覧ください。
ここでは説明を割愛させていただきます。
デリバティブ取引画面の見方
チャート画面(画像①)
価格の上昇・下落を予想して売買判断するために使います。
ポジションを保有するとチャート上で示されます(上画像)。
TradingViewの使い方は、以下の記事をご覧ください。
特にBybitのTradingViewで大事な設定は以下の2点です。
- 「バーの終値までのカウントダウン」を設定する。
- タイムゾーンを東京に設定する。
関連記事:ローソク足確定までの残り時間・タイムゾーンなどを設定
取引板(画像②)
売りと買いの勢いがグラフで示されます。
私は取引板を読まない成行注文のトレードスタイルですが、板を読める人にとっては大事な情報源の一つになります。
取引板の価格をクリックすると、注文パネルの価格に入力反映されて、指値注文をしやすくなります。
注文(画像③)
- 参入注文・決済注文:エントリー・決済の区分
- 指値・成行・条件付き:下記をご覧ください。
- 価格:価格を入力(成行の場合は無し)
- 契約数:下記をご覧ください。
- 買いで参入・売りで参入:ロング・ショートでエントリー
「参入」とは耳慣れない言葉ですが、エントリーを日本語訳して使われているのだと思います。
- 指値:価格を指定して注文する。
- 成行:価格を市場に任せて、今すぐ注文が約定する。
- 条件付き:逆指値注文のこと。指定した価格より上がれば買い注文、指定した価格より下がれば売り注文を出す。
上の画像では分かりやすく、0.1BTCをロングで注文しています。
ロットが0.1ということは、ビットコイン価格が10ドル上昇すればそれに0.1を乗じた1ドル利益が出たことになります。
(ここでは諸々の手数料を除外して考えています。)
- 何ドル動けば自分の利益はいくらになるのか
という考え方が大事です。
これが出来ないと、常に手数料負けに陥ってしまいます。
ポジションと注文履歴(画像④)/注文の確認
指値注文の場合、即時約定せず順番待ちになることが多いです。
その際、「アクティブ注文」で未約定注文を確認できます。
発注中の注文のキャンセルもできます。キャンセル手数料は掛かりません。
ポジションと注文履歴(画像④)/ポジション決済
注文が約定するとポジションを保有します。上画像の部分でポジション状況(損益)を確認します。
ポジション確認だけでなく、利食・損切設定、ポジション決済も行えます。
- 利食・損切を設定(画像①)
- 決済注文方法:指値または成行(画像②)
《利食・損切設定の画面》
- 利食:利益確定(Take Profit)の価格を入力。
- 損切:損切設定(Stop Loss)の価格を入力。
《決済(指値)》
価格・数量を入力して決済します。部分決済も可能なので部分利確できます。
決済後の利益・損失の予測値も表示されます。
《決済(成行)》
今すぐ決済が執行されます。部分決済も可能なので部分利確できます。
決済後の利益・損失の予測値も表示されます。
以上でBybitデリバティブBTCUSDTトレード操作方法の説明は終わりです。
Bybitといえばデリバティブ、その中でも人気の通貨ペア・BTCUSDTトレードの概要について書きました。デリバティブ取引にはリスクが伴います。レバレッジや最大可能注文ロット数、契約数の考え方・手数料計算の仕方を踏まえた上で、デモ口座で1~3か月ほど練習してみることをおすすめします。リアルなデリバティブトレードに進んでも最小ロット0.001BTCから始めると、リスクを低くしながらトレードできると思います。
投資の世界では利益に目が行きがちになりますが、
- 「いかにリスクを小さくして投資するか」
という意識を現場のプロの方は強く持っておられるそうです。
関連記事:Bybitの使い方・利用方法 - 利用手順が分かりやすく一覧表示されます。
本記事がお役に立てれば嬉しく思います。
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